<撮影機材 Hasselblad X2D 100C Leica Apo-Summicron-M 75mm f2 >
昨年、ずっと撮影もせずに引きこもっていた時に
やる気をひき出すモチベーション作りというか、気持ちのリハビというか、動機は色々だったけど
自分の部屋のリフォームを思い立った。
今のマンションに引っ越してから20年くらいになるのだが、私の部屋って
息子が使っていた机とか、ダンナがいらなくなった本箱とか、ダイニングで使っていたワゴンとか
廃物利用というか粗大ごみの寄せ集めというか、雑然と統一感のない家具が並んでいて、
おまけに、行き場のない撮影機材や棚から溢れた本とかが床に積み上げられ、半分納戸状態だっだ。
それで、一念発起の大事業にとりかかった。
リフォームといっても床や壁はそのままで
ただ収納率をよくするために、壁面を一面だけ天井までの作り付けの戸棚にする。
後は今まで使ってた机や棚を全部処分して、初めて私の好みで自分の部屋の為の家具を揃えた。
のんびり船便で届いた家具もあったので、結局思い立ってから完成まで半年くらいかかってしまったし、
元来が凝り性で、始めると色々こだわりがあって思いのほか費用も嵩んでしまったのだが、
雑念を振り払って忙しく没頭できたし、思い切り断捨離もできて、私にとっては有意義なイベントだった。
さて、前置きは長くなったけど、今日の話題はリフォームじゃなくスピーカーの話だ。
居心地の良くなった自分の部屋で少しいい音で音楽を聴きたくなって、
スピーカーを探してみたということから始まる。
オーディオの知識なんてからきしで、
ただ、以前に使っていたBOSEのスピーカ―の音は硬くて好きじゃなかった。
今リビングで使っているHARMAN社の「JBL」というスピーカーの音が柔らかくていいなとは思ったけど、
重いし大きいし、私の部屋に置くのにはもっとずっと小型のものが欲しくて、
ネットで色々探しているうちにふと目に留まったのがエムズシステムの波動スピーカーだった。
う~ん。でも、波動スピーカーって、いったい何?
メーカーの説明を読んだけど、いまいち観念的で意味がわからない。
で、もう少し調べていったら、「寺垣スピーカーの原理」といページがあって、
布団の中でしか聞こえてこない時計のゼンマイの音の話が書いてあった。
要は、本来、音波は疎密波として空気中を真っ直ぐに進んでくるのだけど、
時計→壁→床→ベッド→布団→耳
みたいに物から物へ増幅されながら振動として伝わってくる音が別にあるということ。
骨伝導の話みたいだな・・・・
なんとなく話の意味はわかったけど、それと波動スピーカーとの関連が良くわからない。
で、また調べているうちに、どなたかのブログの記事の中に、
「波動スピーカーとは、結局、エンクロージャー共鳴型の小型スピーカーと解釈するのがいい。」
という記述があって、なるほどねと思った
たしかにこのスピーカーは全体が木製の筒型で、この筒全体で共鳴して鳴っているということなら
スピーカーそのものを楽器のようなものと捉えていいのかなと思った。
ようやく、納得。
筒にあたる部分の木質がオークであるとかメープルであるとか色々種類があって、
塗装がラッカーだったり漆だったりするのも
「楽器」っぽくて、面白く感じた。
ネーミングが悪いのよね。
胡散臭い「波動スピーカー」ではなくて「共鳴型スピーカー」の方がずっとわかりやすい、とつくづく思う。
何種類かあったけれど、アンプを持っていないし、iPhoneからiTuneの音楽を落とすことが多いから
必然的にアンプ内蔵型になって、大きさも小型でちょうど良いので上の写真のスピーカーになった。
エンクロージャーの材質はヒノキだそうだ。
本当はメープルやチェリーやオークがいいと思ったけど、
アンプ内蔵型は選択肢がなかったので、仕方なかった。
・・・で、聴いてみた結果、
オーディオには詳しくないので、本当に私の個人的な感想なのだが、
一言で言えば、とても気まぐれで、ジャンルを選んでくるスピーカーだった。
不便だけど、性格がちょっとライカみたいで、親近感あり。 (笑)
クラシックの場合
弦楽器、バイオリンやチェロの音は、柔らかくて豊かでとても美しく感じられる。
ピアノの音もとても素敵で、音符の一粒一粒が転がるようで、澄んだ音に聞きほれる。
それにとても臨場感があって、ソロの演奏は傍らに演者がいるような雰囲気は感動的だ。
ただし、オーケストラの演奏になると、悪くはないけど平凡な印象。
オーケストラぐらいに迫力が出てくると、なんだか雑味のある音に変化してくるような気がしてくるのだ。
ジャズはかなりいい感じ。
クラシックと同じにピアノの音がすごく軽やかだし、和音が美しい。
サックスの音やギターの音なんて胸にゾクゾクくる感じで、心なしか葉巻の香りがしてくる。
・・・んわけはないけど、でも、ものすごく音の余韻を楽しめると言っても過言ではないかも。
ところが、
ポップスやロック系になると、もう全然ダメ
QueenとかU2とか、全滅。
ベースの低音が安っぽくてビートも響かないから、これはラジカセかと思ってしまった。
ウーファーがないんだから、仕方ないと言えば仕方ないけど。
でも、サザンもミーシャもヴィヨンセなんかも ボーカルの声はすごくいい。
生の声にとても近い感じ。
桑田さんがすぐそばにいるみたいで、ライブのようになる。
この場合はバックのベースの音には目をつぶる。
結論
ラチチュードが極端に狭いフィルム。みたいなスピーカーだ。(笑)
黒潰れも白飛びもすさまじいけど、ピント面の描写はとても繊細で味がある・・・・みたいな。
だから、変わり者の私としては気に入って、私の部屋にずっと鎮座することになった。
とりあえず、ポップスとロックは、車の中で聴こうかな・・・(笑)