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メルヘンの沼



<   撮影機材   Hasselblad X2D100C HasselbladXCD 38mm f2.5 >



今日の写真は、11月22日のブログの記事 「沼地の光」 と同じ沼で、ほぼ同じくらいの時間帯に撮影した写真です。

前回の写真は超アンダーの露出、今日の写真は超ハイキーの露出・・・それだけで随分雰囲気が違うでしょ?

こんな風に自分の頭の中に浮かんだイメージで写してみる時も、写真って面白いなと思う瞬間です。


さて、そのテーマですけれど・・・前回の怖い感じの沼地も、今日のメルヘンの沼地も、どちらのテーマも「私の中のファンタジーの記憶」です。


「沼地の光」 に込めたファンタジーは私の大好きな映画「ネバーエンディングストーリー」の『悲しみの沼』でした。

「ネバーディングストーリー」はドイツの児童文学作家ミヒャエル・エンデの小説を1984年に映画化したもので、もう40年も前の古い映画です。ミヒャエル・エンデは「モモ」を書いた作家です。

お話はいじめられっ子だったバスティアンが古い本『はてしない物語』を見つけて読み始めるところから始まります。バスティアンの読む「はてしない物語」の中で、少年アトレイユが『無』に取り込まれて消えてしまいそうなファンタージェンの国を救うために旅に出るのですが、その途中で『悲しみの沼』へやってきます。『悲しみの沼』では、そこに来る者は、得体の知れない"悲しみ"に取り憑かれてしまい、すると沼の底に体がどんどん沈んでいってしまうのです。おそらく、希望を失って絶望すると魂が死んでしまうということを言っているのだと思うのですが・・・


私が訪れたこの沼は岸辺の泥が柔らかくて、一足ごとに長靴の足がもぐってしまって、それでふと、『悲しみの沼』を思い出しました。それで、そんな暗い沼の顔をテーマに写真を撮ってみたくなったのです。




今日の写真に込めたファンタジーは、いわむらかずおさんの絵本、「14匹シリーズ」の世界・・・

世界中で1500万部のロングセラーになった絵本で、息子が小さい時に大好きで、繰り返し繰り返し何度も読んであげた本です。

おとうさん、おかあさん、おじいさん、おばあさん、そして兄弟10匹のネズミの大家族が自然とともに生きるお話です。

シリーズの中でも、息子が一番好きだったのが「14匹のあさごはん」なのですが、ちょうどこの沼に着いた時にたくさんのどんぐりが落ちていて、14匹のネズミ達がバスケットを片手にあさごはんの材料を探しにいくシーンを思い出しました。


お話の中で、ネズミさん達はどんぐりの粉でパンを焼くのですが、幼かった息子に自分にもどんぐりでパンを作ってとせがまれて、代わりに公園で拾ってきた椎の実でクッキーを焼いたことを思いだしたりしながら撮影しました。


だから、今日の沼地は、小さな動物達が闊歩する、平和で穏やかな、そして人間のいないおとぎ話の国がテーマです。

『悲しみの沼』とは真逆の、暖かく優しい沼の顔です。










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